電子カルテの問題点と解決法

電子カルテは紙カルテとは異なり、情報の管理や伝達に手間がかからないため、非常に便利なツールだ。ただし、ネットワークに乗せる以上、個人情報のリークのリスクを避けることは難しい。
患者の診療データは個人情報の中でも特に秘匿の必要性が高く、万一漏洩した場合にはその医療機関の社会的信頼が失墜してしまう。また、災害や事故で停電すると情報が失われて回復不能になる恐れもある。システムがダウンすれば診療は不可能になり、緊急事態の対応もできなくなってしまう。

対策として、セキュリティを何重にもかけて情報流出を防ぐよう努めるほか、安易にクラウドに重要な情報を保存しないことが挙げられる。
特にバックアップをきちんと取って、情報の保存先を複数確保しておくことを忘れてはならない。落雷などに備え、コンピューターの電源に落雷対策を施すことも重要だ。

また、紙カルテなら重要な情報をわかりやすい位置にファイルすることが可能だが、電子カルテでは画面をスクロールして全体を隈なく探す手間がかかることもある。
このような弊害を取り除くには、電子カルテだけに頼らず、紙カルテを併用することも考えるべきだ。どんなに電子カルテの管理を徹底しても、電磁的記録は喪失する危険を払拭することはできないため、ある程度紙カルテを利用することは非合理とは言えない。

さらに、レセプトのオンライン化が義務付けられたが、送信はせいぜい毎月1回程度だ。回線確保などで初期費用がかかる割には、コストパフォーマンスが良いとは言い難い。そのため、院内LANやホームページ制作などネット環境を利用する機会を増やし、セキュリティや回線確保の支出に見合う利益を得る方法を考える必要がある。